
「逆目(ぎゃくめ)」とは、紙本来の繊維の方向や流れに逆らっている状態のことを指します。逆目は、紙の繊維に逆らう形で垂直に折るため、紙が反発してきれいに折れないことが多くなってしまいます。その結果、印刷の仕上がりを損なう可能性もあるため、注意が必要となります。

「逆目(ぎゃくめ)」とは、紙本来の繊維の方向や流れに逆らっている状態のことを指します。
紙は、一見すると一様に見えますが、その内部には見えない繊維が一定方向に並んでいます。その繊維の方向や流れを無視して逆方向に折ると、折加工の際にさまざまなトラブルが発生してしまいます。
それに対して順目(じゅんめ)とは、折の目が紙目と一致する状態のことを指しています。順目は紙の繊維の方向に沿って折ることができるため折りやすく、自然な仕上がりになります。冊子を加工する際には、順目で加工することで開きやすくなります。
このように、逆目は繊維に逆らう形で垂直に折ることになるため、紙が反発してきれいに折れなくなってしまうことが多くなります。こうした紙の特徴を理解しておくことは、印刷物の仕上がりに影響を及ぼすということを覚えておくと良いでしょう。
順目に関する詳しい内容は、「順目(じゅんめ)とは?」をご覧ください。
紙目に関する詳しい内容は、「紙目とは?」をご覧ください。

逆目で最も発生しやすいトラブルは、背割れです。背割れとは、用紙の折り目の表面が裂けることで白い筋が入ったように見える状態のことです。背割れは、紙の繊維が折る力に耐えきれずに破れてしまうことで起きてしまいます。なかでも厚手のコート紙や色ベタが印刷されている箇所では背割れが目立ちやすくなってしまうでしょう。その結果、デザイン全体の印象も損ねてしまいます。
逆目では、折り目にシワができるというトラブルも頻繁に起こります。逆目方向に折ることで、紙が自然に曲がらずに歪みが生じ、折り筋に細かなシワや波打ちが発生してしまうことがあります。このようなシワは、ごく小さな現象に見えるかもしれませんが、実際には印刷物全体の印象に大きな影響を及ぼしているのです。特に、三つ折りや観音折りといった複数回の折り加工を行うケースでは、わずかなシワやズレがいずれは全体の折り位置のズレを引き起こし、冊子やDM全体の品質の低下を招いてしまうのです。
折り加工に関する詳しい内容は、「会社案内・パンフレットの「折り」種類ガイド|用途に合わせた最適な形をご紹介」をご覧ください。
逆目で折った際に、紙が反発して自然に開いてきてしまうというトラブルもあります。順目方向で折った際には折り筋に沿ってしっかりと閉じていますが、逆目方向で折った場合、紙の繊維が元の状態へと復元しようとする力が働くことで、折りたたんでも自然と開いてしまうことがあります。特に厚手の紙ではこのような状態になりやすく、折っても閉じた状態を維持できず、見栄えが悪い印刷物になってしまうこともあります。
逆目方向で折ることで、印刷面へのダメージも発生します。逆目で折ることで、紙の表面だけでなく印刷インキやトナー層にまで影響が出てしまいます。特に、オンデマンド印刷の場合ですと、トナーが紙の上に載っている状態ですので、逆目方向に折ることで、パリッと割れてはがれてしまうこともあります。また、オフセット印刷においても、全面ベタ印刷をした場合には、折り目に沿ってインキが割れ、白い線が浮き出てしまうこともあります。このよう割れが発生してしまった場合、修正が困難で、印刷全体の品質を損ねてしまう原因となってしまいます。
オンデマンド印刷とオフセット印刷に関する詳しい内容は、「オンデマンド印刷とは?オフセット印刷との違いについてもご紹介します!」をご覧ください。
逆目によって生じやすいトラブルに、折り位置のズレも挙げられます。逆目の場合、紙を均一に折ることができないため、折り筋の位置が微妙にズレてしまうことがあり、大量印刷においては、このズレが蓄積してしまうと仕上がりにばらつきができてしまいます。こと、三つ折りや観音折りにおいては、折り位置の精度は非常に重要な要素となります。ズレがあると重なり部分や見開き部分に違和感が生じてしまいます。
先ほども少し触れましたが、紙の厚みや種類によって、逆目の影響は異なります。上質紙などのような薄手の用紙においては比較的影響が出にくい場合もあります。しかしながら、厚紙やコート紙では背割れやシワが目立ちやすくなってしまいます。なかでも、ラミネート加工やニス引きによって表面加工を施している用紙においては、柔軟性が低くなっていることにより、逆目で折るとコーティングにひびが入りやすくなり、折り目が均一にならなくなってしまいます。こうした素材では、逆目で折ることを避けるまたは、折り筋を補強する加工が必要となります。
また、折り方の種類によっても逆目の影響は変わってきます。二つ折りのような簡単な加工でも背割れは発生してしまいますが、三つ折りや観音折りでは折り位置のズレや段差が目立ちやすくなるでしょう。逆目によって、紙がうまく折れず、少しずつズレが生じることで最終的にきれいに重ならないことがあります。大量印刷が必要なDMやパンフレットにおいては、このズレが目立ち、品質にばらつきが生じてしまう原因になってしまうでしょう。

用紙のサイズや面付けの都合、デザイン上の制約などによって、逆目を完全には避けられないケースもあります。このような場合、どうしても逆目で折らなければならないことも。ここでは、このケースで有効な対策をご紹介します。
事前にスジ入れ加工で折り筋をつけておくことが有効的です。スジ入れ加工を施すことで、紙を折りやすくし、逆目による反発を軽減することができます。折り目のエッジが美しく整うことで、製品としての完成度が高まるでしょう。
PP加工やプレスコートなどの表面加工を施して表面を補強することで、折ったときのひび割れを抑えるという方法もあります。特にマットPP加工は表面が割れやすいという課題はあるものの、折り線部分に事前にスジ入れをしたうえで加工を施せば、割れを大幅に抑えることができるでしょう。また、グロスPPの場合はインキの密着性や表面の硬さにも注意が必要で、折り部分のひび割れを防ぐために温度や圧力を細かく調整する必要があります。表面加工とスジ入れの順番や組み合わせ方を工夫することで、逆目でも仕上がりの美しさを維持することができます。
逆目での折りでは、印刷段階における工夫も効果的となります。具体的には、折り位置にあたる部分には、ベタや濃度の高いインキがかからないようにデザインの段階で避ける設定にしておくことで、ひび割れが目立ちにくくなります。また、折り位置にニスやOPニス、UVニスを重ねると表面が硬くなり、逆にひび割れが強調されてしまうこともあるため、このような仕上げ加工を施す場合には範囲の調整が必要となります。
折機の設定を細かく調整することも大切です。逆目の場合には、送りの圧やローラーの当たりを弱で設定しておくことで、紙への負担軽減につながります。また、折り速度を落とすことでも、折り筋の割れ方が変わるため、最終工程に入る前に何度かテストを行い、最適な設定を見極めることが大切です。とくに、冊子などのような大量生産の現場においては、最初数十枚で折り具合をチェックして、割れやシワの発生具合を確認しておくようにしましょう。
ここまでの対策のほかに、逆目でどうしてもひび割れが目立つという場合には、印刷工程で「見え方」を工夫するといった方法もあります。たとえば、折り位置にかかるベタを薄いグラデーション状にしておくことや、あえて地色を明るくすることで、白割れを目立ちにくくする方法です。また、表面加工は施さず、インキだけで仕上げる場合にも折り部分の濃度を若干落とすことで、逆目特有の裂けめが浮き出てしまうのを抑えることも可能です。こうした微調整は、デザイナーと印刷会社による打ち合わせの段階で早めに共有しておくことをおすすめします。
最終段階では、検品と補正も重要です。逆目の折りは、加工直後はきれいな状態に見えていても、時間の経過とともに湿度が変化することでシワが浮いてくることがあります。仕上がりの状態を安定させるためには、折り後の製品を一定時間馴染ませて再確認を行い、必要に応じて折り直しや再度プレスをかける工程を加えると安心でしょう。
逆目を完全に避けられないような状況下であっても、これらの対処法を組み合わせることでトラブルをある程度目立たせないようにすることは可能です。印刷物の見栄えと耐久性を確保するためにも、この対処法を覚えておくと良いでしょう。
逆目と順目を理解しておくことでさまざまなメリットがあります。
〇折りのきれいさにつながる
〇仕上がりの品質向上
〇製本の精度向上
〇制作工程の安定性
〇コスト削減
〇納期管理のしやすさ
紙目を見極めることと、それを工程全体に反映させる意識を持つことで、印刷物は見た目はもちろんのこと構造的にも優れた仕上がりとなります。また、制作コストや納期の面においても無駄のない進行が可能となります。

紙を折る、裂く、水で湿らせる、仕様書を確認するといった基本的な方法を試してみることで、初心者の方であっても紙目を判断することができるようになります。
紙の繊維方向と直角に力を加えることで、紙の内部に引き連れが生じ、折り線周辺にシワが発生します。特に厚紙やコート紙などで現れやすいでしょう。
逆目を避けられない場合には、スジ入れ加工を施したり、折り機の圧を微調整したり、デザインの段階で折り位置にベタを配置しないよう工夫をすることが大切です。
スジ入れ加工を施すことで、折る部分の繊維を押し広げ、折りの際の抵抗を減らすことができます。逆目で折る場合に特に効果的で、表面割れを防止し仕上がりを整えてくれる重要な工程といえます。
紙目自体が価格に直結することはありません。しかしながら、逆目での加工にはオプション加工が発生することも多く、スジ入れや表面加工、折り機調整などの費用が上乗せされるケースもあります。
事前に印刷会社に直接問い合わせておくようにしましょう。
今回は、逆目について解説してきましたがいかがでしょうか。
逆目が与える影響はただ単に技術的な面にとどまりません。完成した印刷物の品質や製本の精度を大きく左右します。逆目を気にせず作業を進めてしまうと、背割れやシワ、反発による浮き、印刷面へのダメージ、折り位置のズレなど、いずれにしても目に見える形で現れてしまいます。そのため、逆目の特徴を理解し、折り方向の設計や用紙の選定、加工方法の判断を正確に行い、より品質の安定した印刷物を作成しましょう。
逆目に関するお困りごとがございましたら、大倉印刷にお気軽にご相談くださいませ。経験豊富なスタッフ一同、こころを込めてご対応させていただきます。
大倉印刷は、2024年には文京区で創業40年となりました。
培った実績と経験で、短納期案件や少部数から多部数をこなしてきた豊富な実績がございます。
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逆目はもちろん、その他印刷用語辞典に記載されてる内容、載っていないものでも、まだまだ更新中の用語辞典ですので、どんなことでもあらゆるご質問やご不明点に誠心誠意対
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