「バリアブル印刷」とは、1枚1枚異なる内容を印刷することが可能な技術のことです。
バリアブル印刷は、宛名印刷はもとより、QRコードやバーコードなど、さまざまな場面で活用されています。
今回は、メリット・デメリットや活用例、その仕組みなどについて解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
バリアブル印刷とは、1枚1枚異なる内容を印刷することが可能な技術のことです。バリアブル印刷のバリアブルとは英語の「Variable=変えられる」という意味があり、その英語の意味通り、データに基づき内容を変えられる印刷ということです。そのため、「可変印刷」とも呼ばれています。
そもそも、これまで印刷という技術は、同じ内容を大量に流通させること自体に大きな価値がありました。しかしながら、昨今では情報の流通がデジタル化されたことで、同じ情報をすべての人に届ける必要はなく、個々のニーズに合わせた対応も求められるようになりました。このような個々のニーズに対応していくということは、印刷業界においては競争優位性を高めるために非常に重要となっていると言えるでしょう。
バリアブル印刷には、メリットもデメリットも存在します。さっそく詳しく見ていきましょう。
バリアブル印刷を活用することで得られるメリットは以下のとおりです。
バリアブル印刷の最大のメリットは、顧客リストさえあれば大量の宛名印刷を効率的に行えるという点です。大量の顧客データの宛名を一つ一つ作成するのは途方もない作業です。しかしながら、バリアブル印刷を活用すればExcelやCSVファイルで管理された宛先のマスターデータがあれば、簡単に宛名印字を出力することが可能となります。
バリアブル印刷で出力できるのは、テキスト(文字列)だけではありません。画像やバーコードデータなど変えたい要素が複数あるケースでも、顧客の要望やフェーズに合わせて簡単に個別化し印刷することができます。そのため、ターゲットに合わせてDMの内容や特典内容が変えられるため、さまざまなアイディアを盛り込んだ工夫ができることがメリットでしょう。顧客のニーズに合ったDMを作成することで、実効性が高まると言えます。
バリアブル印刷は、顧客ごとに文字や画像、イラストなどを組み合わせた印刷物を作ることが可能なため、印刷物のコンテンツの幅が広がるのもメリットの一つです。企画内容に合わせてさまざまな印刷物を作ることができるだけでなく、ユニークなQRコードを印刷することで、オンライン上でもあらゆるコンテンツを提供することができるようになります。
たとえば、DMでターゲット層ごとに異なる割引額のクーポンをつけることにより、これまでは簡単に捨てられていたであろうDMが顧客にとって価値のあるものに変わるでしょう。このように、バリアブル印刷は顧客に合わせた印刷物を作成できることから、付加価値が高まることが期待できます。
バリアブル印刷にはメリットだけでなく、デメリットの側面もあります。
通常のオフセット印刷の場合、1つのイラストをDTPソフトで制作して入稿データとすることで、基本的に印刷時にレイアウトが崩れてしまうことはありません。
しかしながらその一方でバリアブル印刷は、文字やイラストを印刷する際、可変部分の大きさや範囲を指定する必要があります。このときに文字数や文字の大きさによっては指定範囲をはみ出してしまうことがあります。これにより、レイアウトが崩れてしまうこともあります。
こうした事態を防ぐためには、レイアウトデータを作成する際には以下の点を確認しておくことが重要です。
・印字範囲を大きめに指定する
・複数の文字サイズや文字数を作りテスト印刷する
・バリアブルツールでは長体をかけられるか(文字の横幅を狭くし、縦長に変形させること)
バリアブル印刷では、商業印刷に使われる一般的な書体は印刷は可能ですが、対応できない書体や特殊文字があります。たとえば、かな書体や欧文書体といった特殊なフォント、旧字体などは、文字化けする可能性があります。ただし、バリアブル印刷で使用可能な書体は印刷会社ごとに異なるため、依頼する際には確認しましょう。
ここからは、実際にバリアブル印刷でどのような印刷物を作成できるのかを見ていきましょう。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
バリアブル印刷の中で最もポピュラーなのは宛名印刷としての活用です。DMや封書の宛名台紙には、届ける方の氏名や住所などの個人情報を印字する必要があります。バリアブル印刷では、顧客リストを基に一通ずつ異なる内容を印字することが可能です。
先ほどメリットの章でも触れましたが、バリアブル印刷では、DMに盛り込む内容を変えることができます。たとえば、顧客の購入履歴などのデータをもとに、その方のニーズに合ったクーポンを印刷したり、地域ごとに異なる店舗情報を掲載するなど、印刷物をカスタマイズすることが可能です。
バリアブル印刷の可変性は、印字する内容だけではありません。バリアブルツールである専用のレイアウトソフトを用いることによって、印刷媒体や大きさを変えることもできます。つまり、社名や部署、氏名などの同一データを名刺のみならず、社員証といった異なる印刷媒体にレイアウトで印字するようなケースでも活用ができるというわけです。
バリアブル印刷は、チケットやくじ、クーポンなどのように同じ内容のものが2部以上存在してはいけないとされる印刷物のナンバリングにも活用されています。バリアブル印刷の可変性は、販売数の管理の際に役立つだけでなく、偽造防止などのセキュリティ対策としても有効です。
また、バリアブル印刷でナンバリングすることで、マーケティング施策の改善にもつながります。なぜかと言えば、チケットに一定のルールで連番をつけ、チケットを回収した後に顧客の分析が可能となるからです。例えば、チケットの販売チャネルや地域ごとの発行数などを数値で把握が可能となります。
バリアブル印刷は、1部ずつ異なるQRコードやバーコードを印刷することも可能です。たとえば地域や年代ごとに異なるQRコードを印字し、そのアクセス数から反応のあった地域や年代を分析することができます。こうしたメリットを活かし、購入してくれる顧客の開拓へとつなげましょう。
このほか、QRコードやバーコードは製品の製造から流通までの過程を追跡できる仕組みとしても取り入れられており、効率的な生産や品質管理を担っています。
バリアブル印刷は、店の売り場にあるPOPの印刷にも役立ちます。アピールしたい商品や価格が日ごと・週ごとに替わるスーパーマーケットやホームセンターなどでは、その都度POPの作成や貼り替えが発生します。そこで、バリアブル印刷を用いてデータを作成しておけば、さまざまなPOPを簡単に作成することが可能となります。そうすることで、おすすめの商品を効果的にアピールすることができるようになります。
バリアブル印刷は、コンピュータと印刷機を組み合わせて行われます。
印刷をする前に、印刷物のデザインや可変部分のデータをあらかじめ作成し、そのデザインやデータを印刷機に転送します。バリアブル印刷では、印刷機が紙を連続的に送りながら、そのデータに基づいてインクを変更したり、印刷ヘッドを制御することで“可変部分”を印刷しています。こうした過程を繰り返すことにより、個別の印刷物を高速かつ効率的に作成することができるのです。
バリアブル印刷を印刷会社に依頼する際には、ベースデザインと可変部分のデータがそれぞれ必要となります。ベースデザインは、デザイン制作を印刷会社に依頼できるケースもあります。その一方で、可変部分は社員や顧客の個人情報を取り扱うため、一般的には自社でデータを準備して印刷会社に提出するケースがほとんどです。
可変部分を自社でデータ作成する場合には、以下の点に注意しましょう。
バリアブル印刷を印刷会社に依頼する際には、データ作成のルールが印刷会社によって異なるということを覚えておくと良いでしょう。また、バリアブル印刷の対応実績がある印刷会社を選ぶことも大切です。
大倉印刷でも、バリアブル印刷のご依頼を承っております。「共通するQRコード(二次元コード)を印字して、抽選番号などを可変で印刷したDMや抽選券などを作りたい!」「会社で出す年賀状が毎年数百件あるから宛名印字をお願いしたい!」チケット(宛名、差出人印字の場合一定の条件があります)などさまざまなご要望に対応可能です。詳しくはこちらから
バリアブル印刷は、顧客のニーズに合わせた印刷物の制作が可能な印刷方法です。宛名やDM、名刺、チケットなどさまざまな場面において活用されています。また、宛名やQRコードなどの文字情報のみならず、デザインの一部を変更をすることでその表現方法はバリエーション豊か。バリアブル印刷を活用し、顧客に寄り添った印刷物を作成し自社マーケティング戦略の強化につなげましょう。
大倉印刷でも、バリアブル印刷を随時承っております。お困りごと、ご相談ごとがございましたら、大倉印刷へお問い合わせくださいませ。経験豊富なスタッフ一同、心を込めてご対応させていただきます!
大倉印刷は、2024年には文京区で創業40年となりました。
培った実績と経験で、短納期案件や少部数から多部数をこなしてきた豊富な実績がございます。
お客様の様々なニーズに応えるワンストップ生産体制にて、印刷、製本加工、納品・発送までの一貫生産
都内有数印刷機器の保有数です。
文京区に自社および自社工場を持つ利便性の良さをお客様のご要望に最大限活用させていただきたいと思っております。
バリアブル印刷のことはもちろん大倉印刷だからこそ、できる形をご案内いたします。どんなことでも、お気軽にご相談お問い合わせください。
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