抜刷(ぬきずり)・別刷(べつずり)とは、印刷における専門用語の一つです。
抜刷・別刷とは、論文や学術誌などの中から、ある部分だけを抜き出して本来の印刷物とは別個に印刷することです。
今回は、論文の冊子印刷におすすめの仕様についてもご紹介します。
抜刷・別刷とは、論文や学術誌などの中から、ある部分だけを抜き出して本来の印刷物とは別個に印刷することです。「別刷」は、「リプリント(reprint)」とも言われています。
抜刷・別刷は、主に論文の著者が、書いた論文の内容を関係者や研究者仲間などに読んでもらうためのものです。また、他の研究者などからもらった論文の抜刷・別刷は、参考文献として活用することもできます。
部分的に紙質を変えたり、モノクロ・カラーなど異なる素材で印刷することもあります。
また、抜刷や別刷の論文冊子は、「部」で数え、厚いものであっても「冊」では数えないので覚えておくと便利でしょう。
抜刷・別刷と似た言葉で論文の「別冊」という言葉があります。抜刷・別刷と別冊との違いは何でしょうか?
結論から言うと、シチュエーションによって「別冊」という言葉の使われ方が異なります。というのも、著者の先生が「論文の別冊」と言う場合は「抜刷・別刷(reprint)」という意味合いで使われており、この表現自体は間違いではありません。
またその一方で、出版社や学会側では、学会誌の通常号「本誌」に対して特別号を「別冊」と表現する事があります。
このような事から、同じ「別冊」でも場面によって使われ方が異なっている、という形です。
論文や学術誌の抜刷・別刷を製本するなら、「無線綴じ」がおすすめです。
無線綴じとは、製本の際に針金や糸を使用しない製本方法のことです。本文となる紙を重ね、表紙と本文部分を糊で綴じて製本します。無線綴じは、ページ数の厚みの分だけ背表紙ができるのが特徴で、一般的に本文が32ページ以上の冊子に使用することが多くなっています。
無線綴じについての詳しい内容は「無線綴じとは?中綴じとどう違うの?メリット・デメリットについてもご紹介!」をご覧ください。
論文を印刷するなら、テキスト系の印刷物の本文用紙として最もポピュラーな上質紙がおすすめです。上質紙はコピー用紙と同じような、さらさらとした質感で、癖のない白い用紙です。チラシやDMなどに使われるツルツルとしたコート紙とは異なり、紙の繊維の自然な質感が残るナチュラルな用紙です。
上質紙は、発色性が低いため、フルカラーの写真や鮮やかな色のデザインには向いていません。しかしながら、モノクロ一色で作られるテキスト系の印刷物には最も適していると言えます。読みやすく、扱いやすいことから論文の抜刷・別刷には最適の紙です。
また、上質紙で最も多く使われているのは70Kです。ちょうど一般的なコピー用紙くらいの厚さで、裏移りしない程度に厚く、何十枚も重ねてもかさばらず、めくりやすいでしょう。
論文や学術誌の抜刷・別刷を作成するなら、用紙のサイズはB5がおすすめです。
抜刷・別刷には、オンデマンド印刷とオフセット印刷がおすすめです。オンデマンド印刷とオフセット印刷は、フルカラーの写真やイラストの表現が多少異なりますが、モノクロの文字であればほとんど見分けがつかないくらい、仕上がりに差がありません。
つまり、オンデマンド印刷とオフセット印刷の使い分けに関して、クオリティは気にする必要がないので、部数によってお得な方を選ぶことをおすすめします。
オンデマンド印刷についての詳しい内容は「オンデマンド印刷とは?オフセット印刷との違いについてもご紹介します!」をご覧ください。
抜刷・別刷を作成する際には、いくつか注意が必要なポイントがあります。ここでは、それらについて説明していきます。
まずは論文や学術誌全体のページからどのページを抜粋するのかを明確に指定する必要があります。
抜刷・別刷の表紙は著者専用のもので作成することが一般的です。必要の際には、表紙データも別途準備しましょう。
ただし、必要な部分を抜粋して作成する抜刷・別刷は、ページ数が少なく薄い冊子になることが多いため、基本的に背文字は不要です。つまり、論文のタイトルと著者名だけで表紙を作るのが一般的でしょう。
抜刷・別刷を作ることを最初から想定している論文や学術誌の場合には、組むときに注意することがあります。
たとえば、横書きの場合、個々の論文のはじまりページが常に奇数になるようにしています。
これを「奇数ページおこしにする」と言います。
具体的に説明すると、A先生の執筆ページが「1P〜21P」、B先生の執筆が「22P〜40P」だったとします。B先生が抜刷・別刷を希望された場合、当然22Pから本文は開始されるわけです。しかしながら、本冊のデータを使用する場合、本文の開始ページ(本を開いた時に右側のページ)は奇数ページから始まります。そのため、22Pから開始されるB先生のページは偶数となり、先頭ページにA先生の21P目の内容が入ってしまうことになります。
これを避けるためには、論文や学術誌の本冊の各著者ページを必ず奇数ページ(本を開いた時に右側)から始め、偶数ページ(本を開いた時に左側)で終わるように構成します。こうすることで、一冊の本から個々の抜刷・別刷にした際に、きれいに分割することができます。
どうしても「奇数ページおこしにする」ことができない場合は、不必要なページと表紙裏を糊で貼りつけるという方法もありますが、手間がかかるのに加えて仕上がりの精度が落ちてしまうので、できるだけ避けたいところかと思います。
論文の抜刷・別刷を関係者や研究者仲間に送る際には、特別なルールはありません。通常のビジネス上の送り状と同様にしましょう。日付と差出人の情報、抜刷・別刷を送付する旨のタイトル、先方との関係に相応しい挨拶文、抜刷・別刷りについての情報などを記載しましょう。
論文の抜刷・別刷を郵送などで受け取った際には、既読・未読に関わらず、差出人にハガキやメールなどで受領した旨の礼状を出すのがマナーとなっています。
大倉印刷では大学関係、研究機関の論文本体の印刷だけでなく、抜刷・別刷の印刷、製本まで手掛けております。その際には、論文本体と同じ版を使って印刷し、本誌とは別に製本するという工程を通ります。
今回は、論文や学術誌の抜刷・別刷について解説してきました。
抜刷・別刷は、論文や学術誌などの中から、ある部分だけを抜粋して冊子にすることでしたね。抜刷・別刷は、主に論文の著者が、関係者や研究者仲間などに読んでもらうためのものです。また、他の研究者などからもらった論文の抜刷・別刷は、参考文献として活用することもできます。
論文や学術誌の抜刷・別刷のことなら、大倉印刷におまかせください!これまでの経験を活かして、全力でサポートさせていただきます。気になる方は、是非一度お問い合わせください。
大倉印刷は、2024年には文京区で創業40年となりました。
培った実績と経験で、短納期案件や少部数から多部数をこなしてきた豊富な実績がございます。
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文京区に自社および自社工場を持つ利便性の良さをお客様のご要望に最大限活用させていただきたいと思っております。
論文の抜刷・別刷のことはもちろん大倉印刷だからこそ、できる形をご案内いたします。どんなことでも、お気軽にご相談お問い合わせください。
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