
見返しとは、本の表紙と本文とをつなぎ合わせるために使用される、本文2ページ分の大きさの紙のことです。見返しは、簡単に説明すると表紙を開いた最初に見える表見返しと、最後のページの内側にある裏見返しを指しています。本文の保護や装丁の耐久性向上、デザイン性を高めるために重要な役割を担っています。

見返しとは、本の表紙と本文とをつなぎ合わせるために使用される、本文2ページ分の大きさの紙のことです。見返しには、本の表紙を開いた最初に見える表見返しと、最後のページの内側にある裏見返しがあり、印刷をされるケースとされないケースとがあります。
見返しに使われる用紙に決まりはありませんが、一般的には本文の用紙よりも若干厚手の紙を使用することが多くなっています。見返しは、主に上製本と呼ばれるハードカバーの製本に用いられる加工となっており、ハードカバータイプの冊子を製本する際には必須工程となります。もちろん、ソフトカバーや無線綴じ製本にも用いることができる加工のひとつです。

見返しには、「見返し紙」と「見返しの遊び」の2種類があります。
表紙の裏側に直接貼り合わせる部分を「見返し紙」と呼び、もう片方の本文と一緒に丁合・綴じられた方を「見返しの遊び」と呼びます。この見返しの遊び紙自体が、本文の1ページ目もしくは最終ページになることもあります。
見返しには、さまざまな役割があります。
見返しの大きな役割のひとつに、表紙と本文の接着が挙げられます。接着剤を用いて表紙と本文をしっかりとつなぎ合わせてくれます。
見返しは、表紙の裏側である本文側を見えなくすることで体裁を整えています。
見返し部分に、地図やイラスト、また仕掛けなどを印刷することで、絵本や児童書などの物語への導入がしやすいよう、遊び心としての役割も担っています。

見返しを施すメリットは以下のとおりです。
見返しを付けることによって、表紙と本文のつなぎを強化することが可能です。また、本の中身を保護し、表紙がはがれないように補強することで、冊子全体の耐久性も上げることができます。このように、見返しは、装飾としての役割だけでなく、冊子印刷の強化にも貢献しているのです。
見返しを作成する、最大のメリットは、冊子に「高級感」を与えることができるという点でしょう。モノクロの冊子に色上質紙や特殊用紙を見返しとして用いることによって、シンプルな冊子に高級感がプラスされます。また、作品集や詩集、エッセイ集などには、淡い色の見返しを用いることによって、作者のこだわりや温かみ、柔らかさを演出することも可能です。このように、本を開いた瞬間の印象を左右し、本の世界観を広げてくれるのです。
見返しは、上製本(ハードカバー)の場合、構造上必須のパーツです。それに比べて、仮製本(ソフトカバーまたは並製本)は見返しを付けない冊子もあります。この場合、表紙の裏がそのまま本文になっているケースもあり、これもデザインのひとつとされます。

現在、見返しは以下のような場面で使用されています。
小説や学術書、写真集などのようなハードカバーの冊子は、見返しの品質が仕上がりの印象を大きく左右すると言っても過言ではありません。
豪華なデザインの冊子や箔押し加工が施された見返しは、ワンランク上の高級感を演出してくれます。
子ども向け絵本に必要な耐久性を確保するために、丈夫な紙で見返しを付けることも大切です。また、カラフルなデザインで子どもたちの興味を引き付けます。
記念誌や限定版書籍には、特別な素材やデザインが施された見返しが使われることも多くなっています。
このほか、見返しに装飾的なデザインが採用されることもあり、本文の内容を表すようなイラストが施されることもあります。
見返しを作成する際の注意点は、以下のとおりです。
見返しの中でも、特別な素材や加工を施したものは、製本コストが高くなってしまう場合があります。
見返しは、本文や表紙との兼ね合いを考慮して適切な素材を選ぶ必要があります。
見返しが、ふさわしくない場合、製本の精度に影響を与えてしまうこともあります。
見返しについてご紹介してきましたが、いかがでしょうか。
見返しは、上製本(ハードカバー)には必須のパーツということでしたね。また、見返しを付けることで、冊子の耐久性の向上や高級感が演出できるというメリットがありました。今後、特別な冊子を作成する方や長期にわたって利用する冊子には、見返し付きを選んでみてはいかがでしょうか。
大倉印刷でも見返し加工を承っております。見返しに印刷することも可能です。見返しに関するお困りごとやご相談ごとがございましたら、大倉印刷にお問い合わせくださいませ。経験豊富なスタッフ一同、こころを込めてご対応させていただきます。
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